

2005年3月現在、榊原記念病院 心臓血管外科 先天性心疾患手術は、高橋幸宏主任部長、安藤 誠医長の2名のスタッフと、和田直樹(主任専修医)、小林真理子、竹内晋、村田将光の4名の専修医、計6名で担当しております。
心臓大血管手術数は、2003年が394例(人工心肺使用手術が332例、人工心肺非使用が62例)、2004年は435例(人工心肺使用手術が371例、人工心肺非使用が64例)でした。ここ数年、特に、
- 生後1ヶ月未満に手術を必要とする新生児(1年間に約50人)
- 生後1年未満で手術を行う乳児(約130人)
- 生後数回に分けて手術を行う段階的手術や以前に行った手術後の遺残病変に対する手術など、いわゆる胸骨再切開を伴う再手術(約90人)
が増加傾向にあります。
当院では、子供の状態にかかわらず、救命もしくは術後のquality of life向上の可能性がある限り、手術依頼および治療を断らない方針としております。最近の手術死亡率は2%前後です。極めて重篤な状態の低体重新生児や、術前の心機能・肺血管の状態がかなり悪化していることが主な死亡原因でした。もちろん、以前より成績は向上していますし、また、手術自体のqualityもより良好となっておりますが、この値は未だ満足するものではありません。さらに減少させるように努力したいと考えます。
今回は、榊原記念病院 先天性心疾患手術の特徴について述べたいと思います。
「手術を受ける子供たちの低侵襲化を第一に考える」
これが私どもの手術の最大目標であります。
現在、緊急や準緊急手術を除いた予定手術では、手術後素早く目が覚めて直ちに人工呼吸器をはずし、また、次の朝にはご飯を食べ、ICUから一般病棟に帰室することが殆どであります。しかしながら、一見元気そうであっても、手術に伴う全身組織のダメージはかなり残っていると思われます。これは、心臓手術は他の手術よりも身体全体への侵襲がより大きいこと、即ち、後述する人工心肺を使用して手術を行うという特殊性が大きく関与しています。従って、目に見えない侵襲をも考慮し、如何に身体への負担が少ない手術を目指すかが最も重要と考えます。単に手術が順調に終了したから良いとするだけでなく、入院から退院、もしくはその後のquality of lifeをも見越した手術を考える必要があります。
近年、術後の早期回復を目指した低侵襲手術が注目され、さまざまな工夫がなされています。榊原記念病院 先天性心疾患手術の具体的な低侵襲方法について、体外循環(人工心肺)、皮膚小切開、無輸血手術と血液使用量の削減、時間短縮の4項目について説明いたします。
|